第20回日本金属サイディング工業会施工例フォトコンテスト

Contestフォトコンテスト

第20回
日本金属サイディング工業会
施工例フォトコンテスト

第20回金属サイディング施工例フォトコンテストを一般社団法人日本鉄鋼連盟の後援を得て、昨年6月1日～9月30日までを応募期間として実施し、審査を行いましたのでその結果を次の通り発表いたします。

今回のコンテストでは工業会加盟8社が全国の設計事務所・工務店・金物店・板金店様等のご協力を得て計2,707作品（昨年比3％減）のご応募をいただきました。

対象作品は、新築及びリフォームの建物で外装に金属サイディングを使用したものの中から、新築では建物の意匠性・高級感・コーディネート感覚など、トタールでバランスのとれた作品、リフォームでは施工前と比べ施工後に優れたイメージアップが見られる作品を選出させていただきました。

その結果、最優秀賞2作品（新築・リフォーム各1作品）、優秀賞9作品（新築5作品・リフォーム4作品）、入選賞40作品（新築19作品・リフォーム20作品）を選出いたしました（合計50作品）。

なお、前年に引き続き今回は豪雨被災地に対して総額270,700円（応募作品件数に応じた額）を日本赤十字社を通じ寄付いたしました。

審査員

特別審査委員: 江口惠津子株式会社ヴェルディッシモ代表取締役, 一般社団法人日本フリーランスインテリアコーディネーター協会会長
特別審査委員: 杉田宣生一級建築士事務所 HARUハル建築研究所
当会審査委員: 理事・幹事・技術委員・事務局

最優秀賞：新築部門

K-LIVING 株式会社川堀工務店栃木県 / Ｈ様邸詳しくみる

新築部門: 最優秀賞
地区: 栃木県
応募社名: K-LIVING 株式会社川堀工務店
施主: Ｈ様邸

他にはない建物を建てたい、というお客様の想いに応えてデザインした住宅です。今物件のように金属サイディングと異素材を組み合わせる施工は弊社の得意分野であり、施工性とデザイン性が特に優れているので多くの物件で採用しております。
今回の物件では、家を建てたお客様の暮らしとそこで生まれる思い出が幸せなものになるよう、会話の中からお客様のニーズを汲み取った弊社ならではの設計ができたと自負しております。板張り部分で高さと奥行をつけることで、土地が広いことを利用したガレージの横長な印象を緩和し、大きな窓とウッドデッキで家族を見守り、つながりが感じられる空間づくりを心掛けました。この度はこのような賞をいただき大変光栄に思います。今後もたくさんのお客様と、毎日を素敵に過ごせるようなアイデアを日々出し続けていきたいと思います。

K-LIVING 株式会社川堀工務店代表川堀剛様

最優秀賞「新築部門」の選定について

江口惠津子さん特別審査員のコメント

印象的な美しいフォルムを更に強調し大胆な縦デザインを極めた、まさに青天を衝くがごとき勢いのある作品です。合わせて内部吹き抜けに繋がる広いウッドデッキは平面の広がり感を見事に表現されました。そして繋がるガレージが秀逸です。アシンメトリーのデザインの躍動感の中にピロティ―、風の抜ける場所を作り背景の緑を取り込んでいます。計算し尽くされた作品のデザインとともにその技術力も高く評価されます。
自然を取り込み一体化された空間は、日ごとの光と影の変化、季節の移ろいを暮らしに取り込み、安心安全とともに心に豊かな彩を加えてくれることでしょう。このような場所でテレワークが出来たら仕事も捗り、家族のくらしも幸せなものになるだろうなと推察します。重厚感がありかつ軽やかな、金属サイディングが外壁ではないような錯覚を起こす外と中の隔たりを感じさせない作品です。

杉田宣生さん特別審査員のコメント

大きな３つの立体を組み合わせたような、とても特徴のある印象的な形状の建物です。写真向かって左側が車庫と玄関でしょうか。中央に大きな開口部と広いウッドデッキを持った棟が、右側のメインの棟とつながっています。
大きな開口部と、大きな木壁と、それをシャープに仕切るような金属サイディングの壁も建物の印象に大きく影響を与えているようです。正直なところ、この写真１枚では、細部がよく分かりません。屋根の勾配に対して、軒天の方が急勾配であったり、木壁と開口部のつながりもおもしろそうですし、空間をどう使われているのか、ぜひ見学させていただきたいなと思いました。
たいへん広い敷地に、伸びやかに建てられており、羨ましい限りです。青い空と緑もたいへん美しい背景となっています。

最優秀賞：リフォーム部門

株式会社ユーキ・コーポレーション岐阜県 / リノベソムリエ詳しくみる

施工前

施工後

リフォーム部門: 最優秀賞
地区: 岐阜県
応募社名: 株式会社ユーキ・コーポレーション
施主: リノベソムリエ

金属サイディングは、新築住宅で継続的に使っていましたが、今回は「土壁造りの既存住宅」のリノベーションで、住宅性能・耐久性・デザイン性を考慮して採用しました。
このリノベーションは、国土交通省の補助事業の一環で産官学連携で計画し「地域に残された古い住宅ストックを若い世代に継承する事」をテーマに実施しました。
特に、土壁造りの住宅の断熱改修を行う際に、外壁材の軽さと耐久性が求められますが、金属サイディングはその全てに満足が得られました。
又、今回の施工事例は、消費者や関連事業者の皆様からデザイン性も高く評価して頂いているため、今後も継続して金属サイディングの利用を提案したいと考えております。

株式会社ユーキ・コーポレーション代表松塚龍一様

最優秀賞「リフォーム部門」の選定について

江口惠津子さん特別審査員のコメント

リフォームというと外壁の張りわけ、色合いに留まりがちですが、屋根とフォルムを少しだけ整えるとこんなにもシンプルモダンに美しくリノベ出来ることを目の当たりにしました。張り出したテラスはデザイン柱とともに、懐かしさの残るモダン縁側になり、コロナが明けたら近隣の憩いの場所になってくれたらと思います。
サスティナブルな将来を見据え今後のリフォームの在り方の新たな可能性を感じるお手本のような作品です。
お施主さまのとの打ち合わせも丁寧に進められたことが推測できます。機能性を高めながら懐かしい香りを残しデザインをブラッシュアップして、新しい生活様式を暮らしに取り入れる、地球に優しい流石のソムリエリノベです。金属サイディングの持つ本来の魅力と意義をよく示してくれました。

杉田宣生さん特別審査員のコメント

まさに日本の伝統的な住まいのリフォームという印象です。かなり大がかりなリフォーム工事で、屋根、壁、玄関など、たいへんスッキリと、現代的な家屋に生まれ変わりました。屋根と壁をみると、洋風なイメージですが、軒下の濡れ縁・広縁と、４本の木の独立柱が日本家屋を主張しているように感じます。
玄関の引き戸も良いですね。リフォーム前の、少々古く重たい印象から、若々しく軽快で、それでいて落ち着いた日本的な風情を残した良い建物になったと思います。また、軽快なイメージには、金属サイディングも一役買っているのだろうなと思います。リフォームの秀作ですね。